ターポリンの表面はビニ―ル(樹脂)です。 ビニール素材に水性ペンを使ったことがあれば想像しやすいと思いますが、ビニールは水を弾く性質がある為インクが固着しません。 そこで、溶剤(ターポリンの表面の樹脂を溶かす薬剤)を混ぜたインク(溶剤インク)を使ってプリントする方法が溶剤印刷です。 溶剤インクで印刷をすると、ターポリンの表面で溶けた樹脂とインクが混ざり合った状態になり、時間の経過と共に樹脂がインクを含んだまま固まることで色が固着します。 溶剤によって溶けた樹脂が乾いて固まるまでに時間がかかるため、印刷してすぐにプリント面を触ることができないため、すぐに加工できないのが難点ですが、発色はとても良いため、写真やイラストの印刷に向いています。
溶剤インクの乾きにくさを克服したのがUVインクであり、このインクを使用したプリント方法をUV印刷と呼びます。 UVインクは紫外線に反応して固まる性質があるため、紫外線照射機能が付属したプリンターで印刷すればすぐに印刷面に触れることができます。 そのためプリント後にすぐ加工することができ、短納期に対応できます。 ただ溶剤と異なりUVインクはターポリンの表面に乗っているだけなので、引っ掻いたり擦ったりすると剥がれてしまう可能性が高いです。 またターポリン自体が曲がったり熱で伸縮したりするのに追従できずひび割れたりすることもあります。 温度変化の少ない屋内での利用に向いています。
UVインクの追従性の無さ(ターポリンの曲がりや伸縮についていけずインクがひび割れる)を改善したのがラテックスインクです。 ラテックスと聞くとゴムのような素材をイメージする方も多いかと思いますが、このインクがゴム製というわけではありません。 インクが固まったあともターポリンに合わせて伸縮する柔軟性がゴムのようだったためこの名称になりました。 ただこの性質を実現するための溶媒成分の影響で発色性があまり良くなく、彩度の高いデータは苦手です。 また微細な表現も難しく、小さな文字等があるデザインには向きません。